全国各地の看護師の求人情報を見て年収をチェックしてみると、都会と地方で給与事情が異なることが分かります。
都道府県別で看護師の平均年収をランキングにしたところ、約550万円の東京都が第1位で、約390万円の熊本県が最下位で、第一位と最下位では、大きな地域格差が生じています。

ではなぜ、一定のキャリアと能力を持っている看護師は、勤務地によって年収が大幅に変化するのでしょうか。
その理由は、看護師に対するニーズの違いが背景にあると言われています。
東京をはじめとする都会は、医療機関も患者の数も地方よりも遥かに多くなります。
そのため、いずれの医療機関も看護師の不足が課題となっており、良い就労条件を提示して人材確保をしようとしています。
その影響で、看護師の給与水準が高くなっているのです。

一方、地方では、医療機関の数が限定されており、施設間で競合することはめったにありません。
とびきり良い条件を提示していなくても、看護師の人員はなんとか補充できます。
ただし、地方で看護師として勤務する場合、都会よりも給与は低くなりますが、たくさんのメリットもあるようです。
たとえば、急性期の患者と対峙する医療機関も限定されるため、自身のペースで働きやすい病院が多いという点です。
しかも、先輩の手厚い指導を受けながら、看護スキルを磨くこともできます。

とはいえ、専門的な知識の習得を望む方の場合には、都会での勤務のほうがおすすめです。
都会の大規模な医療機関では、多くの患者に関わり合う中で、臨床の現場で必要な看護技術を学べるからです。
そのため、自分が描くキャリアデザインを重視して、働く場所を決める必要があります。